方言はタイムカプセル①

おはようございます。今朝の三重町は曇り空で外気温25度、湿度86%と涼しい天気です。御盆が過ぎて随分と過ごしやすくなりました!

 

このホームページの『大分医療方言集』で、三重町周辺(豊肥・県南)を中心とした医療に関連する大分方言を紹介しています。私は大分市と臼杵市の境にある吉野出身で、祖父母から『クァイ(快)トスル=気分が爽快になる』などの方言を聞いて育ちましたが、三重町で『ユーロ(下腿の後ろ側)』という言葉を患者さんから聞いて驚きました。昭和11年(1936年)生まれの父も知らなかったことや、ユーロという言葉を使う患者さんの地域分布から、おそらく竹田周辺の豊肥地区を中心とした方言と思います。また、『アバケタ=化膿している病変が開いた』という方言については、1603年に九州在住のポルトガル宣教師が出版した『日葡辞書』に"Abaqeta"と掲載されています。大友宗麟や黒田官兵衛の時代の言葉が現在でも方言として残っていることはとても興味深いと思います。昨年のNHKの朝の連続ドラマ『あまちゃん』で、「じぇじぇじぇ!」という東北の方言が流行しましたが、方言はその地方の大切な宝物であり、タイムカプセルでもあるのですね。今日も良い一日を(^^)/ 

 

※参考文献:土井忠生ら編 『邦訳 日葡辞書』岩波書店 1980年