当院の検査について(その6)

こんにちは。


今回はコレステロール、特にHDLとLDLについてお話しします。


皆さんは、LDLが「悪玉コレステロール」と呼ばれているのは、ご存じと思います。コレステロールは、大半が肝臓で作られます。LDLはそれを体の隅々に届ける役割を担っています。LDLが多いと、体のあちこちでコレステロールが余ってしまい、動脈硬化を促進するため「悪玉」といわれます。

一方、HDLは「善玉コレステロール」と呼ばれています。HDLは体の中で余分なコレステロールをかき集め、肝臓に運んで消却する役割を果たしています。このため、HDLが多いということは、コレステロールの処理が順調なことを示し、動脈硬化のリスクが低くなると判断されます。


LDLの値は、健常な非喫煙者では140mg/dl未満が望ましいとされています。糖尿病や脳梗塞などの動脈硬化疾患がある人は、少し厳しく120mg/dl未満が推奨されます。

一方、HDLは40mg/dl以上、両者の比(LDL/HDL)は2以下が望ましいとされています。


コレステロールの食事前後での変動幅は中性脂肪ほど大きくなく、何日から何週間という日数でゆっくり変化します。前日に断食をしても、中性脂肪や血糖値は低くできるかもしれませんが、コレステロールに関する限り値を低くすることは期待できません。健診で良い結果を望む場合は、少なくとも数週間の摂生を心がけましょう。

                            (文:検査技師)